第2章で述べたように、研究会の報告書では、事前運動規制との関係について、
インターネットであっても事前運動規制を維持することは可能であると考えられる。ただし、事前運動規制の実効性を担保するためには、ホームページ開設者のメールアドレスの表示義務を課すなどの検討が必要である。
と、まったく実効性を感じられない内容が記述されているが、公営サーバーを通じての選挙運動解禁ならば、事前運動の規制が容易に可能となる。
つまり、選挙管理委員会の権限で、公営サーバーに対する一般からのアクセスなどを、選挙の公示日または告示日までは規制し、公示または告示と同時に許可すればよいのだ。
立候補予定者には、事前に公営サーバーのスペースを提供し、アクセス権を与えておけば、ホームページのデザインなどをあらかじめ確認することが可能である。もしも、公営サーバーではなく、候補者それぞれが用意したサーバーを通じての選挙運動解禁であれば、一般へのアクセス権を制限した状態で、選挙運動に関わるコンテンツをアップロードするなどという面倒な手続きを候補者が守るとは思えないが、また、守らなかったことの捕捉も難しいが、公営サーバーならば候補者の意志に関係なく、事前運動規制が徹底できるのである。
また、第2章で指摘した検索サイトからのリンクという面で、新人候補が不利になるという問題についても、公営サーバーで、全候補者のホームページが同時に公開されるという点において、極めて公平な取り扱いになると言える。
さらに、研究会の議事において、選挙管理委員会が、各候補者のホームページにリンクを張る便宜供与は難しいという意見が出されていたが、各候補それぞれが用意したサーバーでアドレスが異なる状態ではその通りであるが、公営サーバーで選挙管理委員会が各候補者に割り振ったアドレスでは何ら問題ないと考えられる。選挙ポスターの公営掲示板と同様に、届け出順に候補者のホームページへのリンクを掲載したページを準備することは、容易なことである。
そして、選挙当日の書き換えは禁止することについても、研究会が記述していたが、各候補にサーバーを用意させていたら、その実効性が保証されないが、公営サーバーであれば、公示または告示以前とは逆に、候補者の書き換え権限を取り消せばいいことであって、確実に規制できるのである。
このように、公営サーバーを通じてのみ選挙運動を解禁することで、候補者や一般有権者のアクセス権を、選挙管理委員会が主体的に規制または許可することが可能になる。これこそ、「選挙管理」のあるべき姿なのではなかろうか。
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