迷惑メールの存在から、選挙運動に対する電子メールの利用について否定的な意見が多いが、公営サーバーの設置により、電子メール解禁も可能であると考える。
すなわち、公営サーバーを通じての発信に規制されるのであれば、電子メール発信の総量規制が可能と考えられるからだ。
ただし、電子メールの場合、例えば、sales@****.co.jp(****会社の営業部宛)といったメーリングリスト宛の発信がある。選挙はがきの場合、回覧や掲示が禁止されているから、個人宛は可能でも組織宛は規制の対象になる。電子メールの発信の場合、メールアドレスから、個人宛か、組織宛かの判断は難しいから、既存の媒体との整合性については議論の余地がある。
一方、迷惑メールに対する対策であるが、携帯電話会社もインターネットプロバイダーも、最近はメールフィルターのサービスを提供している。各候補者が独自のサーバーを用意して、独自のドメイン名でメールを発信してきたら、メールフィルターによる対応は不可能に近いものになってしまうが、公営サーバーのドメイン名が、例えば****@kawasaki.senkan.go.jpだとしたら、迷惑と感じる人には簡単にフィルター設定できることになる。
さらに、サブドメイン名に自治体を特定する単語を用いるルールにしておけば、携帯電話会社やインターネットプロバイダーは、契約者の住所に従って、関係のない選挙のメールがフィルターするサービスを提供することも可能になる。勿論、選挙権を持たない未成年にはフィルターするといったサービスだって可能である。
迷惑メールに注目が集まりがちであるが、迷惑と思われるような電子メールを大量に配信するような候補は、逆に票を失う。これは、第3章で指摘した。「電子メールを見た人の数%でも買ってくれればよい」と考えて電子メールを送りつけるビジネスの世界と、最大公約数の指示を取り付けなくてはならない政治家の世界は異なるはずだ。
問題は、インターネットを選挙運動に解禁した場合、禁止されているはずの行為を抜け駆けで利用する候補者が出ることにあって、公営サーバーからの発信に限定することなく解禁すれば、候補者が用意したサーバーから発信されたものか、候補者とは関係のないサーバーから発信されたものかの特定も難しくなり、取り締まりはほとんど不可能になる。公営サーバー以外から発信された電子メールは、全て違法な電子メールであるとされれば、受け取る側も、取り締まる側も、違法行為の判断が容易になる。
このように、各候補者それぞれにサーバーを用意させた場合には不可能だったメールの総量規制や迷惑メールのフィルター、違法行為の特定が、公営サーバーを通じてのみ選挙運動を解禁することによって可能になるのである。
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