マニフェストが2003年の統一地方選挙と衆議院議員で取り入れられて以来、政治家の公約を選挙期間中の口約束で許してはならないという意識が高まっている。
当選した政治家が公約通りの政治活動をしないのは、次の選挙で有権者がそのような政治家を許さない行動をとらないことにも責任がある。
しかし、有権者にとって、責任ある投票行動をとろうと、当選した政治家が選挙期間中にどのような公約を掲げていたか、その記録がなければ、判断材料がない。
現状、選挙公報は公立図書館に行けば、閲覧できないわけではない。
1996年に日本有権者連盟が「政治家の通信簿」というものを発行した。当時の現職衆議院議員493人の客観的なデータとして選挙公報をそのまま掲載するとともに、自己開示に応じた「正しき」181人の肉声をまとめたものだ。有権者にとって公約通りの政治行動をとっていることを確認するための貴重な資料であった。
しかし、大多数の有権者は、政治家が公約通りの政治活動をおこなったかどうかの材料を手にすることなく、投票を判断させられている。それが、政治不信の大きな元凶になっていると言っても過言ではない。
インターネットが利用できる現代において、選挙公報を図書館に行ってめくらなければならないような状況は、あまりに時代遅れと言える。
研究会の報告書では、
選挙が終わった時点で候補者のホームページが残されていると、次の選挙に向けての事前運動とみなすこともできるので、選挙が終わった後については、選挙運動性を有する表現については、削除を義務づける必要がある。
とあるが、これはまったく逆で、削除は勿論、選挙当日からの更新を許してはならないのである。
候補者が、選挙期間中にインターネットを媒介して発信した情報については、すべて記録に残し、任期中に公約に従った行動を取っているか、次の選挙で有権者が判断する材料として、提供されるべきなのである。
しかし、これは、候補者それぞれが用意したサーバーでの情報発信を許したら、担保されることではない。
公営サーバーを設置することによって初めて実現されることなのである。選挙管理委員会が主体となって、選挙前日まで公営サーバーのデータの書き換えを候補者に許し、選挙当日からは許さないという管理を行うべきなのである。
そして、選挙終了後、候補者が発信した情報は、そのまま公営サーバーに保存し、発信を続けるべきで、もしも、この管理は選挙管理委員会の管轄でないというのであれば、たとえばサーバーの管理を公立図書館に移管すればよい。
公営のサーバーに政治家が掲げた公約やマニフェストが保存され、閲覧が可能になれば、それを利用した様々なインターネットコンテンツが産まれるであろう。そして、政治家と有権者との緊張関係が生まれ、政治不信など、日本の政治が抱える問題が解消されると期待される。
インターネットを選挙活動に利用するという観点だけでなく、マニフェスト推進と合わせて、もっと大局的な見地に立った議論したいと思う。政治家にとって都合の良いところだけを与えてはならない。
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