金がかからないという迷信

研究会報告書は、インターネットを選挙運動に位置づけたときに期待される効果として、候補者情報の充実とともに、「金のかからない選挙の実現」が挙げられている。インターネットを選挙運動に導入した場合の課題(問題?)の記述でも、「インターネットに付随する費用の増加」に対する認識は薄いと感じられる。
インターネットを選挙運動に活用すれば、金のかからない選挙になるという説は、インターネットが政治活動に利用されるようになった初期からあった。
その先鞭を切ったのは新党さきがけである。1996年、政策調査会長名で自治省選挙部長宛に、インターネット上のホームページの開設と公職選挙法の関係などについて回答を求めている。その中で、インターネットのホームページは「極めて低廉な費用で開設・維持できる」としている(Ref.)。
民主党が2001年に提出した「公職選挙法の一部を改正する法律案」の理由においても、「政党、候補者等が多くの情報を少額の費用で選挙人に直接提供できる(後略)」と記述されている。
今年になって報道された自民党のワーキングチームも、「金のかからない選挙の実現」という効果が期待できると考えているようだ(産経新聞)。
しかし、本当にインターネットを選挙運動に活用すれば、金のかからない選挙が実現されるのであろうか。私は、そのような説はインターネットの普及が始まった黎明期にその期待から起きた迷信で、まったくそのような効果は期待できないと思う。
私は、松沢議員のインターネットサーバーを運用する過程でこの問題に気づき、指摘してきた。例えば、2001年、民主党が「公職選挙法の一部を改正する法律案」へのパブリックコメントを募集していたことを知り、小沢鋭仁ネクストキャビネット情報・通信大臣(当時)にメールを送るといったことをしてきた。
次節では、私がこのように考える根拠を述べたい。


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