普遍的な結論のために

既存の情報伝達の媒体は、媒体を利用するサービスに公職選挙法以外の規制も完成されている上、成熟した媒体であるため新しい利用形態を発明しにくい。
しかし、インターネットという情報伝達の媒体は、公職選挙法はもちろん、それ以外の規制法が確立されていないし、急速な発展途上にあって、今後、どのような利用形態が発明されるか、予想はできない。そして、そういった新しい利用形態は、郵便局や放送局、電話局のように、多額な投資で実現されるインフラは必要なく、個人でも購入可能なサーバーで実現できてしまうかもしれない。
したがって、既存のインターネットサービスをリストアップして、その選挙運動への利用是非を議論しても、その結論はすぐに陳腐化してしまうだろう。
ここが、郵便や放送、電話など、既存の媒体と大きく違うところである。
私は、1996年3月、松沢しげふみ衆議院議員(当時:現神奈川県知事)のホームページを開設した。「挾間が言うなら確かだろう。好きにやれ」松沢さんはそう言って下さった。しかし、単にテキスト文を公開するだけでも一苦労で、こんなに早く動画も簡単に配信できる時代が来るとは私自身思っていなかった。
当時、松沢議員に先駆けてホームページを開設していた国会議員は、簗瀬進氏、新井将敬氏、広中和歌子氏の3氏だけ。それが今や、ほとんどの国会議員、地方議員がホームページを開設している。松沢議員はあのようにおっしゃったが、当時は政治家の誰もがインターネットの可能性に懐疑的だった。
しかし、これはわずか10年前のことでしかないのである。そして、この間、行われた衆議院議員総選挙は3回に過ぎない。郵便や放送、電話について、公職選挙法の大きな改正がなされたかと言えば、否である。
このような過去を振り返ってみても、将来、選挙の度に法律の不備を問われないよう、できるだけ普遍的な結論を得る努力をしなければならない。それはすなわち、インターネットの既存の利用形態で議論するのではなく、インターネットという媒体の本質「サーバーを通じてデータを発信する」ということに議論の基礎をおくべきなのである。
しかし、これまで述べてきたように、研究会の議論は、インターネットの既存の利用形態に議論の基礎を置いている。ここに、私が提唱する「公営サーバー必須」との考え方と大きく食い違った背景があると考える。


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