サイバーテロ

2000年1月24日に科学技術庁のホームページが改ざんされる事件を皮切りに、一連の政府系サイト、大企業への侵入事件が頻発した。侵入されたサイトのホームページには中国語での南京虐殺に対する抗議声明文が掲載されていたり、プレイボーイ誌へのリンクが貼られるなどの改ざんが行われた(Ref.)。いわゆるサーバーテロである。
第13回議事録を読むと、報告書の原案には、「サイバーテロ」という単語が記載されていたようである。この文言に、ニフティの松沢栄一委員が以下のように発言する。
「いきなり「サイバーテロ」という、何故かおどろおどろしい言葉が出てきまして、明らかにこれは犯罪を意識した書きぶりになっており(後略)」
そして、最終的に、事務局が
「いわゆる「サイバーテロ」の・・・・。」
という発言の後、蒲島座長が
「「『サイバーテロ』の脅威」を削除。」
と引き取ってしまった。結局、報告書にはサイバーテロという単語はない。
先述したとおり、研究会報告書では、インターネットを選挙運動に導入した場合の課題として、「デジタルディバイド存在」「インターネットの悪用」「インターネットに付随する費用の増加」を挙げているが、サイバーテロではないのか?
改ざんの問題が議論されなかったわけではない。報告書でも触れていないわけでもない。しかし、第11回議事録によれば、
「セキュリティの丈夫なところのサーバーを借りるというようなことも含めて自己責任だろう」(横浜市選挙管理委員会新井亘委員)
「一般に公のサーバーは改竄や機能停止攻撃の対象になりやすい」(事務局)
と、私の「公営サーバー開設が必須」という考えとは、かけ離れた議論になっている。
インターネットは、国内に閉じたネットワークではない。自国の利益に反する意見を述べる候補者に、他国からサイバーテロを仕掛けられるリスクすら存在するのである。もし、このようなことを許し、我が国の選挙が歪められたとしたら、これは国益の問題になる。
何故、このような問題に議論が及ばず、サイバーテロという単語が報告書から削除されてしまうのか? 問題を認識していながら、その課題解決に「自己責任」を持ち出した。
研究会の議論は浅すぎると思う。


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